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先日、たまたま見たテレビで、
「スペースわん」の考え方と通じる実践をされている
公立中学校の校長先生の話を聞きました。
東京の千代田区立麹町中学校、工藤勇一校長です。
Facebookでも情報は流れてきていて、
公立中学で大胆な改革をした校長先生がいるということは知っていたのですが、
今回詳しく知ることができ、共感する点が多々ありました!
学校の「当たり前」を変えたこの中学校の改革とは、
①宿題廃止
②定期テスト廃止
③クラス担任廃止 です。
工藤校長は、民間人登用の校長ではなく、
ずっと公立中学校の先生で、教育委員会を経て、
2014年から麹町中学校の校長だそうです。
まず、 ①の「宿題廃止」について。
工藤校長、まず、
「普通知ってますよね、宿題なんて意味ないって、本当は」(^▽^;)
はいっ! 私も日々痛感しております💦
「『同じ漢字・単語を30回ずつ書いてきなさい』ということは、修行でしかない。
宿題は膨大だから、
子どもは『この宿題をどうやってこなすか』だけを考えるので、
質なんてどうでもいい。
宿題の目的は、その単元がわかっているか、
その分野の理解を深めるため。
でも実際は、わかっている子どもたちもやらなければならない。
すると、その子たちにとって宿題というのは、
どういう意味があるのか?
一方、できない子どもにとっては、
宿題を出されてもわからないから、
人の解答を写して提出ということもある。
そんな、本来の『単元の理解を深める』という目的を失った宿題はやめましょう」
同感です!
この通信でも、たびたびそのことについて触れており、
「新・スペースわん通信」第41号「『宿題』問題」でも書いたところです。
次に、②の定期テストの廃止について。
これは、学力を伸ばすため、とのこと。
定期テスト廃止後、数学が苦手だった生徒の成績がアップし、
全体の学力が底上げされたそうです。
定期テストを廃止して、なぜ学力が伸びたのか?
「今の日本の教育は、情報を与え続けて、
それを記憶してペーパーにアウトプットする、
この能力が長けている人が、大学に合格していく。
しかし、本当に大事なのは、
子ども自身が『勉強したい』と思うかどうか。
この考え方から、定期テストの代わりに導入したのが、
単元テスト。
数学なら、『比例反比例』など単元終わりで行う小テストで、
ポイントは、一度受けた後、再チャレンジすることが可能、ということ。
宿題を無くしたのは、再テスト制とセット。
1回テストをして、自分は70点しか取れなかった、
しかし、『再テスト受けさせてください!』と子どもが自分で申し出ると、
2回めの日にちが決まって再テストを受けることができる。
それは自己申告。
受けさせているんじゃない。
70点だった子どもは、30点分のわからなかった所を調べてくる。
わかるための努力をする。
『友だちに聞こうか』『誰に聞こうか』『調べたらわかるかな』などと工夫する。
工夫して、何らかのアクションを起こしてわかるようになった、
これが自分の経験になるので、次の行動に変化が出る」
この話も、今まで通信で書いてきた内容に通じます。
通信41号の「『宿題』問題」でも、
「与えられた宿題」ではなく、
自分から「ください!」というプリントを宿題にしている話を書きました。
「宿題ください!」と「再テスト受けさせてください!」、似てますよね(^^)
そして、「らくだメソッド」での「間違い直し」は、
再テストにチャレンジすることによって、
できなかった所をできるようにすることとつながります。
また、
「単元テスト」をさらに細分化したのが「らくだ」のプリント、とも言えるでしょう。
能動性と、できるまで何度もチャレンジすること、
これが学力アップの秘訣だと思います。
「やらされてるうちは成績が伸びない」と、
このテレビで工藤校長と対談した林修先生も言っておられ、
私も同感です。
つまり、
「いかに生徒主体の学びにするか」が大事なわけです。
この中学校では、体育祭や文化祭などの学校行事も、生徒主体。
これも興味深い話が出たのですが、ここでは省略させていただきます。
そして、③のクラス担任廃止について。
「クラス担任ではなく、
学年の全教員で学年の全生徒を見る『全員担任制』。
イメージとしては、医療の世界における『チーム医療』。
ある問題が起きたら、
その問題を最も解決しやすい人間、
最も適しているだろうなという人をマネジメントして当てる。
すると、子どもたちは、クラスの比較をしなくなり、
『うちのクラスはいい』とか『悪い』とか言わなくなる。
今までなら、何か問題があれば、担任のせいになり、
そうなると、
人のせいにしている人間の集団になってしまうので、
クラスが荒れても、自己改善能力がなくなる。
教育をよくしていくには、
全ての大人が当事者でなければならないし、
子どもたち自身が当事者になっていく仕組みを作らないといけない。
そうでないと、
人のせいにすることだけを覚える子どもになってしまう。
保護者も含め、
『誰かいい教育をしてちょうだい』と期待ばかりしている、
この構図がよくない」
工藤校長の引用が長くなってしまいましたが、
私も「生徒主体」と「当事者意識」を今までずっと大切にしてきたつもりです。
「教えてもらう・与えられる」ことが当たり前であれば、
わからなかったりできなかったりすれば、
「先生の教え方が悪い・与え方が悪い」と、
先生のせいにすることもあります。
そんなふうに「人のせい」にするのではなく、
また、先生の教え方に左右されるのでもなく、
自分自身が当事者として、主体的能動的に学ぶ学び方を、
「らくだメソッド」で身につけてほしいのです。
(角ゴシック体の太字は、工藤校長の話を永田が編集。工藤校長の著書もあわせてお読みください)